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「ナベさんの気ままなラジコン日記」(176)~ターニングポイント(回想録)~(2013/3/15)

ナベさんのプロフィール

(過去の日記はこちら)



長い間、読者として、またライターとして楽しませてもらったRCエアワールドが廃刊になってしまった。






発売当初はラジコン雑誌とは思えないほどセンスの良い綺麗な雑誌だった。
しかし、当時は内容の無いただのカタログ雑誌だったことに呆れて、編集部に投書したのが「ナベさん」というライターの誕生だった。

編集部員はみな若く、フットワークも良かったので、すぐに私に連絡があり、編集部員が私の自宅まで来た。
私がRCエアワールドに対する思いと期待を熱く語ったところ、早速「ナベさんの工作室 バルサキットの作り方」という連載が始まった。

取材は月に1度、編集部員とカメラマンが私の家に来て一日中キットの製作の模様を撮っていく。
部屋の中に所狭しと照明器具や電源、パソコンが並び、私が作っていくバルサキットの周囲をカメラマンが歩き回りながら要所要所を撮影する。

今、考えると5年間(だったかな?)、よく休まず、間も空けずにキットの製作と原稿の執筆を続けてきたものだと我ながら感心する。
若かったからか、それとも健康だったからか・・・。

RCエアワールドに携わったことで、随分と知り合いが多くなった。
編集部はもとより、カメラマン、メーカー各社の方々、また、何より嬉しかったのはいろんな地方の読者の方々と知り合いになれたことだった。
どこかのクラブにお邪魔したときなど、初対面の方にも「ナベさん!」と気軽に声を掛けていただいた。スロープの山の上でも「ナベさん!」と呼ばれた。とてもありがたいことだと感謝した。

しかし、良いことばかり長く続くものでもない。
多くの人が集まると意見や考え方が異なるのはよくある話だ。
「読者は何を求めているのか」というテーマでよく編集部と議論をした。
編集部としては誌面を華やかに飾る意味でトップフライヤーの成績や著名なモデラーの高価で貴重な機体の紹介や新製品の紹介をしたがるが、私としてはそれもいいけどラジコン飛行機の工作の技術やフライトのテクニックを載せるべきだと主張した。

その間、編集長が何人も代わって、私の主張を認めてくれる人もいれば、そうでない人もいた。
そして、ある時編集長が変わったことがキッカケで私へのオファーが来なくなった。

それはそれでいい!
もちろん編集長が認めた人を使うのは当たり前のことだし、私には本業があるから別に恨んでなんかいない。

そうこうしているうちに月刊誌だったRCエアワールドが隔月になった。
誌面では、新しく生まれ変わったとか何とか言っているが、その台所事情の苦しさはよく判っていた。
月刊誌が隔月になって良いことなどひとつもないのだ。

そしてついに廃刊に・・・。

今、改めて見返しても「綺麗だけど内容の無い雑誌」から脱皮できていない。

エイ出版は車やファッション雑誌のようにハイセンスで綺麗な誌面作りを得意とするが、ラジコン雑誌はそうはいかない。
それは一部に芸能人や有名人がラジコンを楽しんでいるが、それはほんの一部に過ぎない。
大部分のラジコンマニアは小遣いを切り詰めてファッションとは無縁のモテそうにない男ども(失礼!)が埃の舞う野外でラジコンを飛ばしているのである。

彼らの求めるものは
「作りたい!飛ばしたい!」
ズバリこの一言に尽きるのである。
「この飛行機を製作するにはどうしたら良いのか」
「この飛行機は飛ばし易いのか、難しいのか、どのような点に注意したらよいのか」
これが大部分の読者の関心事なのだ。
であれば、もっともっと突っ込んだラジコン飛行機の製作記事やフライトインプレッションの記事が多くあっても良いと思うのである。

しかしもういい。
もうすでに終わってしまった。
もう議論のステージさえ無いのだから。

今思うに、私をひとりのライターとして育ててくれたRCエアワールドに本当に感謝している。
色々と苦言を呈していたのもRCエアワールドへの期待からに他ならない。
それをどうか判って欲しい。

もし、また会う機会があったなら昔の楽しい話をしたいと願っている。

ありがとう!
RCエアワールド

ありがとう!
編集部をはじめ業界のみなさん。

そして本当にありがとう!
読者のみなさん。






注)RCエアワールドは廃刊になりましたが、KKHOBBYの「ナベさんの気ままなラジコン日記」はこれからも気ままに続きます。

どうかよろしくお願いします。


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