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「ナベさんの気ままなラジコン日記」⑪~スロープグライダーの世界~(2010/01/15)

前回サーマルソアリングのお話をしましたので、今回はスロープソアリングについて書かせていただきます。
 そもそも、あらゆるラジコン飛行機の中でも、グライダーは少数派に属します。 ざっと考えてみても、練習機・スポーツ機・スタント機・スケール機あたりが最も一般的で、次にヘリコプターあたりがでしょうか。 グライダーといえば入門用または癒し系のモーターグライダーがほんの少数いるくらいです。
 その中でもスロープソアリングをやろうという人は本当に少数ですから、飛行船やパラプレーンあたりといい勝負かもしれません。 ですから「○○県の○○さん」といえば、「ああっ、知ってる!」という言葉が返ってきます。 私も初めて行った長野県のエリアで、私が何も言わぬ前から「知ってる!」と言われてしまいました。悪いことは出来ませんね。

 スロープグライダーが普及しない理由として、スロープエリアが日本全国でも、数える程しかないことがあげられます。 また、それが山岳地帯や丘陵地帯など、普段、普通に生活している人が行かないような所にエリアがありますから、何年もラジコンをやっている人でも、スロープグライダーの飛んでいるところを見たことも無い人も大勢います。
大概のフライトエリアは、国立公園や国定公園など大自然の中に在りますから、「ゴミを捨てない」「決められた場所以外ではタバコを吸わない」「飛ばすときは地元の方と連絡を取る」など、社会人としてのルールが守れない人は飛ばすことは出来ません。 しかし、その反面、良識を持ち合わせていて社会性のある方は、地元のグライダーマンからも歓迎されることでしょう。

 スロープソアリングには大きく分けて山岳地帯のスロープと臨海地帯のスロープがあります。 山岳地帯のスロープは文字どおり山の中にありますので、地表の形状にそって上昇風が発生します。時折ガスト(突風・乱流)があったり、谷間に吸い込まれる風が吹いていたりする場所もありますから、地元の方に地形やフライトエリアの特性を良く教えていただきながら楽しいフライトを心がけると良いでしょう。
一方、臨海地帯のスロープは、風がほとんど障害物のない海面を渡ってきますから、気流は整流されていますので、グライダーはとても素直に飛んでくれます。また、海風は空気の密度が高いので、普通、常識的には飛ぶと思えないような重いグライダーでも、悠々と飛んでしまうから不思議です。

スロープグライダーは同じグライダーでも、サーマルグライダーとは正反対です。 たとえばサーマルグライダーはバルサ製フィルム貼りなど、軽量な程サーマルを捕らえやすいのですが、スロープの場合はそうはいきません。 FRPの胴体に発泡スチロールコア+アベチフルプランクまたはシャーレ工法によるものなどカチカチ系のグライダーに、その日の風により鬼のようにバラストを積みます。 風速が5m/sを越えて7~9m/sになると、みんな大喜びです。 普通のラジコン飛行機では、強風で喜ぶ人はいないはずです。
翼幅5m、すっぽり顔が入るほど太い胴体のスロープグライダーを崖下に向かってガンガン投げます。 私も、どうやら神経が麻痺してきたのでしょうか、送信機のアンテナがしなり、帽子が吹き飛ばされるような風の中でも、何の躊躇もなくスロープグライダーを飛ばすようになってしまいました。

軽いグライダーが何故適さないのか、試しにサーマルグライダーを強風時のスロープで飛ばしたことがあります。機体を手投げしたところ、そのままエレベーターのように垂直に上昇したかと思うと、グライダーは風上に向かってあたかも上空に貼り付いたように止まりました。そのまま左右に振っても風下に流されるし、エレベーターUPを引こうものなら、そのままバックしていきます。思い切りダイブさせようとしても、機首は下を向いているのですが、なかなか前に進みません。 着陸は地上のブッシュの中に突き刺すような感じで降ろします。 きれいな3点着陸を試みようとするなら、後方に吹き飛ばされます。 スロープソアリングでは、機体の重量がそのまま推進力になります。



前方に海があり、砂浜から斜面が聳え立ちます。南風が入ると理想的なスロープエリアとなります。



午前中の割と風が穏やかな時間帯ならば、このように軽量なモーターグライダーもスロープソアリングを楽しむことが出来ます。



スパン3mを越えるスケールグライダーDG600です。
主翼は発泡スチロール+アベチフルプランクで、それなりに強靭なのですが、それてもフライト中は翼がたわんでいます。
 


スロープソアリングの特徴として、自分の立ち位置より低い所を飛ばすことができます。
自分のグライダーを見下ろして飛ばす機会は、そうそうあるものではありません。



KK HOBBYでも、取り扱っているスロープゼロ戦です。このような機体でも十分スロープソアリングを楽しむことができます!



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