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「ナベさんの気ままなラジコン日記」⑰~リンケージの基本~(2010/02/26)

 ARF機が全盛期の現在、モデラーが思い思いの個性を活かして飛行機を作る部分が非常に少なくなったように思います。そんな中で、こだわりを持ってモデラーのアイデンティティーを主張できる部分としてリンケージが重要なウェイトを占めるようになってきました。
 思いどおりに操縦が出来ない。トリムが1クリックごとに効果が現れない。このような症状の出る機体は、大方リンケージに問題があります。サーボホーンの穴の大きさとロッドのピアノ線の外径との遊び、フレキシブルパイプと中のピアノ線との遊び、ピアノ線と動翼のホーンとの遊び、これらの遊びが足し合わされて大きくなるとガタとなって飛行機に作用してきます。
 だからといって遊びを少なくしていくと舵の動きが渋くなって、舵を打って戻した後に打が残るようになります。リンケージの遊びを極力少なくして、しかも舵の動きが渋くならないようにするためには、ホーンの穴の大きさを少しずつ慎重に調整していく必要があります。

 サーボホーンはサーボモーターにより回転運動をします。「何を当たり前のことを言っているんだ!」と言われそうですが、昔は1つのサーボにサーボホーンが2つ付いていて、それぞれが逆方向に平行移動する(プッシュプル方式)ものがありました。これは、回転運動するサーボホーンは、スティックを動かした時にロッドが横方向にブレるのを避けるのが目的でしたから、ある意味では理想主義的な発想でした。しかし、皆さんもお判りのように差動(上下、左右、それぞれの舵角を意図的に変えること)が取れなかったため、歴史の流れと共に次第に廃れていきました。しかし、現在コンピュータープロポの出現により、差動は送信機側で自由に調整出来ますから、再びプッシュプル方式のサーボが売り出されても良いのではないかと私は思っています。

〔サーボ側のホーン〕
話は脱線してしまいましたが、結論としてサーボ側のホーンは、動翼の舵角を確保するために必要な長さがあれば良い。ということに尽きます。これでは何を言っているのか判らないので少し解説します。例えば、サーボホーンが必要以上に長いとどうなるのかと申しますと、当然送信機側のTA(双葉ではATV)のパーセンテージを下げることになります。すると、せっかくのサーボトルクが活かされなくなります。例えば2Kg/cmのトルクのサーボのホーンの長さが2cmだとすると、先端の力は1Kgになり、4cmだと0.5Kgに減少してしまいます。また、それだけでなく、サーボの動作の分解能が荒くなってしまいます。逆に。ホーンが短すぎると、当然舵角は取れませんからTA(ATV)を上げていきますが、ホーンが回りきってしまうと効果が現れません。そういう意味からTA(ATV)が100±20%位の範囲内に収まるホーンの長さを選ぶと良いでしょう。

〔動翼側のホーン〕
 動翼側のホーンは、多少乱暴な言い方をしますと、その機体に付けられるなるべく大きなホーンとなります。またまた訳の判らないことを言いますが、要するに大きなホーンはリンケージ上のガタを吸収してくれるからです。例えばロッドに1mmのガタが生じても、短いホーンの先端が1mm動くのと長いホーンの先端が1mm動くのとでは、舵の動作角が違ってくるからです。

〔差動は送信機で取る〕
 リンケージの基本は、ニュートラルポジションでホーンとロッドを直交させることです。その機体のリンケージが特別で、キットによほどの指定がない限り、リンケージは直交させ、差動はあくまで送信機側で設定します。こうすることで、上下左右の舵角の差と送信機のTA(ATV)のパーセンテージに相関関係が生まれてきます。例えば、アドバース・ヨー(※1)を解消するためにエルロンに差動を付ける場合、上の舵角100%に対して下の舵を40%に設定した場合、リンケージを直交させておけば、送信機のパーセンテージと実際の舵角が同じ比率になるので、送信機のパラメーターの信頼性が高まります。

※1アドバース・ヨー
通常、飛行機は主翼に2~3度の迎え角を持って飛行しています。この状態を飛行機の正面から見ると、エルロンの下げ舵はよく見えますが、上げ舵は主翼の陰に隠れてあまり見えません。例えば、飛行機が左旋回する時、左のエルロンは上げ舵に、右のエルロンは下げ舵になります。こうして、左の翼より右の翼の揚力が増して左旋回に入るのですが、正面から見ると右の翼の前面投影面積が左の翼に比べて増えるため、右翼の空気抵抗が増して右に機首を振ろうとします。このように、旋回する方向とは逆の方向に力が働くことをアドバース・ヨーと言います。アドバース・ヨーの効果を避けるためには、エルロンに差動をつけて、下げ舵の舵角を少なくし、その分上げ舵の舵角を多くしています。



エレベータームサーボのリンケージの様子です。エレベーターをニュートラルにした時、サーボホーンとロッドが直交していることが判ります。
不要なホーンは離着陸の時に草木が引っかかり易くなるため、切り取ったほうがいいですね。



エレベーターホーンのリンケージの様子です。こちらもロッドとホーンは直交させます。
ホーンの長さはなるべく長くして、ホーンの穴の位置はヒンジラインの真下に来るようにします。



ラダーをワイヤーリンケージにした様子です。
ラダーサーボは胴体の中心線上に置き、左右のワイヤーは胴体の中で交差させます。



ラダーのワイヤーリンケージを後方から見た様子です。
ワイヤーリンケージは軽量で比較的工作が簡単で、しかもガタが出にくいため、とても重宝します。
スケールグライダーのように胴体が細くて長い場合は、テールヘビーを防ぐ意味でも非常に効果的なリンケージの方法です。



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