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「ナベさんの気ままなラジコン日記」(65)~世にも奇妙な出来事②~(2011/01/28)

今週はラジコンの空中衝突について書きます。
私も30数年間ラジコン飛行機を楽しんできましたが、一度だけ空中衝突を経験したことがあります。
それはスロープソアリングを楽しんでいる時で、スロープの特性上どうしても上昇気流のある所にグライダーが集まってしまいます。
私のグライダーの尾翼に他のモーターグライダーが追突して、私のグライダーは墜落し、相手のモーターグライダーは無傷で回収出来ました。
相手の方は「申し訳ございません」と大変恐縮して謝ってきましたが
私は「不可抗力だから気にしないで!」と言って笑って済ませました。
そうした理由には、本当にぶつけようと思ってぶつけた訳ではありませんし、また修理すれば直せるし、グライダーを楽しんでいれば、そういう事はあってもおかしくないと思っていたからです。
それに、何と言ってもラジコングライダーをみんなで楽しんでいる雰囲気を壊したくなかったからです。
でも、中にはそういう解決方法では済まない事もあるようです。



イタリア空軍フレッチェ・トリコローリ。プロのパイロットたちでも空中衝突を起こすことはある。

これも随分昔の話なので今となっては時効ですが・・・
高価なF3A機を操縦するAさんと初心者の練習機の着陸を代行したBさんの機体が空中衝突しました。しかも不幸にもどちらの機体も水中に落ちて全損となってしまいました。
高価な機体を失ったAさんは膝を落とし愕然としてしまいました。
一方、着陸の代行をしてあげたBさんもどういて良いか分からず途方に暮れていました。
そこに、AさんのF3A仲間のCさんが出てきて
「あの機体はそっちの練習機と違って高価なんだ。どうしてくれるんだ。」
と、遠まわしに弁済を要求してきました。
その後、ひと悶着あってBさんはAさんに40万円を弁済したそうです。
なお、このクラブは3機まで同時飛行が認められています。

ここで、それぞれの言い分を整理すると
Aさんは「F3Aは決まったコースを飛んでいるので、それに割り込むような飛ばし方をしていた」
Bさんは「空中衝突をしたのは着陸態勢に入ってから。『着陸』の宣言もした」
Cさんは「F3A機は高価だから、F3A機にぶつけた練習機の操縦者BさんがAさんに費用を弁済すべき」
ということになります。
さて、みなさんはどうお考えになるでしょうか。

私の考えは
確かにF3A機が決まったコースを飛ばしているのは分かりますが、ここで重要なことは「飛行コースに占有権はない」ということです。つまり練習機を操縦している人が「ここは私の飛行コースです」と言ったら、同時飛行が認められているクラブである以上、どちらも平等に飛ばす権利が発生するということです。
次に、空中衝突を起こした当事者同士の話し合いならいざ知らず、第3者が当事者に代わって金品の要求をするということは間違った行為です。
私も仕事柄、よく裁判所に出かけますが、代理人となれるのは当事者から権限を委任された弁護士だけです。

40万円という金額はどういう根拠から算出したものなのでしょうか。機体は自分で作った物らしいのですが製作に掛かった費用なのでしょうか。
私だったら
過失割合は何対何と判断しましたか?
評価額はいくらですか?
耐用年数は何年ですか?
減価償却は年間いくらで算出しましたか?
と質問するでしょう。
そして、納得できる回答を得られなかった場合は
「申し訳ございませんが私としては納得がいかないので、裁判所に訴えていただいて結構です」
と言うと思います。

その後、この事故はクラブの中でも大問題となり、会長から
「今後、このような問題でクラブの中で金品のやり取りはしないこと」
というお達しが出て表面上はなんとか治まりがつきました。

私も会長と同じ意見です。
ラジコンは楽しんでやるものですから、不幸にも不可抗力で空中衝突した場合は、互いに自分の機体を直すしか方法はありません。
それでも納得のいかない方は、自分の機体に保険を掛けておくしかないでしょう。



この画像は本文とは関係はありません。

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